市場調査、プレゼン資料、事業計画書 現役経営コンサルタントが代行

投資家・金融機関向けプレゼン資料・ピッチ資料とは

投資家向けピッチ資料とは、スタートアップ起業を始めとする起業家が投資家に自社のビジネスを紹介するためのスライド資料のことです。ピッチは、英語の「pitch(野球のピッチャーと同じ)」が語源で、シリコンバレーが発祥の言葉です。

プレゼン資料の目的

プレゼン資料の相手は銀行等の金融機関や投資家が多く、創業してから間もないスタートアップ企業が新規事業の資金調達を目的として資料が用いられます。初めてのプレゼン資料の作成では、戸惑う事が多いですが、実はどの投資家や金融機関からも共通して聞かれる内容があります。この記事では、初心者向けに投資家・金融機関向けのプレゼン資料・事業計画書の作成方法を基礎から解説します。

プレゼンテーションとピッチの違い

明確な区分があるわけでは有りませんが、プレゼンテーションは数十分と時間をかけて行うことが多いことに対して、ピッチは数分程度でプレゼンテーションの時間よりも短く、相手の決断を引き出す点が大きな特徴です。

プレゼンテーション:ある特定のビジネスにおいて、時間をかけて説明

ピッチ:スタートアップ事業・新規事業において、端的に情報を数分で説明

投資家・金融機関向けプレゼン資料の基本概要

プレゼン資料の枚数

結論から言えば、長すぎず、短すぎない資料の文量が求められます。パワーポイント形式の資料であれば、8〜12枚程度が妥当です。長すぎて冗長になってしまうのはよくありません。自社についての知識を持たない投資家・金融機関の人に対して、自社の強みや事業概要、マーケット詳細などを端的に伝えることが重要です。

プレゼンテーション・ピッチの時間

ピッチは、投資家に対して行う短いプレゼンテーションであるため、プレゼン時間は5〜10分程度が主流となっています。そのため、詳細な説明はできず、短時間で自社の強みやビジネスモデルを説明しなくてはなりません。

プレゼン資料作成の進め方

ピッチ資料を作る際は、下記4つの手順で作成することが推奨されます。

  1. プレゼンの目的の明確化
  2. ターゲットの明確化
  3. ピッチ資料の構成を立てる
  4. ピッチ資料の内容を作り込む
  5. デザインを調整(仕上げ)

特に3の「ピッチ資料の構成を立てる」が最も重要となります。いきなり資料作成を始めると、内容がまとまらず何が言いたいのか分からない資料や冗長な資料になってしまう恐れがあります。

この段階では、資料の設計を下書きすることを強くおすすめします。プレゼン資料の目次を検討し、各スライドで何が言いたいのかを明確にします。各項目の枚数やキーメッセージ(そのページで最も言いたいこと)を明確にしましょう。

全体の目次ができあがれば、プレゼンテーションのストーリー性を検討します。事実を淡々と述べる資料よりも、ストーリー性のあるピッチ資料は、聞き手(投資家・銀行担当者)に想いを届けやすく、共感されやすい資料となります。

プレゼン資料のファイル形式

資料のファイル形式についてはパワーポイント形式が最も主流であり、推奨されるファイル形式となります。また、スライドの縦横比ですが、印刷用の資料を考慮し、4:3で作成することが良いです。

プレゼン資料のデザイン

基本的にはシンプルなデザインが好ましいです。自社のカラーやブランドイメージを反映させた色のテーマにし、必要に応じて画像やイラストも活用します。

投資家・金融機関向けプレゼン資料の構成

資料の構成

プレゼン・ピッチ資料の主な構成要素は以下の項目となります。

  1. 表紙
  2. エグゼクティブサマリー
  3. 自社が取り組む社会課題
  4. ビジョン・ミッション・目的(会社が存在する意味)
  5. 事業内容
  6. ビジネスモデル・ターゲット顧客・課金モデル
  7. 市場環境・マーケット規模
  8. 競合状況
  9. ビジネスプラン・スケジュール
  10. 経営陣・組織
  11. 資金調達概要

この11項目が基本となりますが、必要に応じて順番を入れ替えたり、項目を削除したり、逆にボリュームを膨らませることも重要です。

資料の構成1:表紙

1つ目の項目は、ピッチ資料の冒頭の表紙です。ここで記載すべき項目は社名、事業名、企業のロゴに加え、自社の事業に近い画像やイラストを1つ添えることを推奨します。

自社の企業ロゴやブランドカラーを記載することは勿論、例えば、宇宙のスタートアップであれば宇宙のイラスト、飲食であれば飲食に関連する画像やイラストを挿れることで相手へのインパクトを高めることができます。

資料の構成2:エグゼクティブサマリー

投資家に向けて事業の概要を簡潔に説明するため等に用いられます。一般的には、プレゼンの受けて(投資家)がプレゼン資料のすべてを読まなくても、このエグゼクティブサマリーの資料1枚を見れば、資料の全体で言いたいことが理解できるような機能を持ちます。

プレゼン資料以外でも、事業計画書でも冒頭に計画の概要や重要な論点などを整理しまとめたものとして記載されることが多い。日本語では事業計画概要とも言う。

資料の構成3:自社が取り組む社会課題

自社が展開する事業内容・ビジネスで、どのような課題を解決するのかについて説明をします。このスライドでは、誰(ターゲット層)のどのような社会課題を解決するかの他に、なぜその課題を解決する必要があるか、なぜ今取り組む必要があるのかについても記載することで、より熱意が伝わりやすい資料とすることができます。

また、その社会課題を解決しようと思った自身の原体験や実体験も交えて記載するとより説得力を増すことが出来ます。

資料の構成4:ビジョン・ミッション・目的(会社が存在する意味)

先述した自社が取り組む課題に対して、自社はどのような解決策・ソリューションが提示できるのかについて主に説明します。ここでは顧客へ提供する価値や自社が存在する意味が問われてきます。

資料の構成5:事業内容

自社の事業内容、自社の商品やサービスの紹介についてのスライドとなります。必要に応じて文字だけでなく、動画や試作品、実物を用いることも推奨されます。

資料の構成6:ビジネスモデル・ターゲット顧客・課金モデル

上記の事業内容に対して、関係者との関係性を記載します。

ここでの関係者とは事業上、関わる関係者のことであり、顧客、パートナー企業が主な関係者となります。関係性では金の流れ、モノの流れ、情報の流れ。また、自社のビジネスモデル上、関係する対象物、例えば、店舗、webサイト、アプリ、情報、会社といったものも記載します。

ビジネスモデルとはその名の通り、モデルであるため、図解で示すことが相手にも分かりやすく伝えることができます。

また、ビジネスモデルの説明において最も重要なことは顧客は誰であり、どのような課金モデルでサービスや商品に対する対価を自社に支払ってもらうかです。ここが曖昧だと、ビジネスモデルの説明としては不十分なものとなります。

資料の構成7:市場環境・マーケット規模

自社ビジネスがどの市場をターゲットとして開拓していくのか、そして、その市場の規模はどの程度の規模があるのかを説明します。

最も重要なことは、自社が取り組む市場の規模が非常に大きいことを示すことです。市場規模の分析フレームワークの1つであり、資金調達が目的のピッチやプレゼンで推奨されるフレームワークがTAM/SAM/SOMモデルです。

TAM(タム)、SAM(サム)、SOM(ソム)は、市場規模を表すフレームワークです。TAMは「対応可能な全体の市場規模」の略で、SAMは「サービスを提供できる対応可能な市場規模」、SOMは「サービスを提供できる獲得可能な市場規模」を意味します。

スタートアップや新規事業を立ち上げる企業などにとって役立つ指標です。新規事業で市場規模を把握し、具体的なアクションを起こすためのフレームワークとして有効です。

資料の構成8:競合状況

競合他社と比較した自社の優位性を記載することが求められます。仮に自社が対象とするマーケットが有望であるとしても、競争環境が激しい市場で後発的に参入するのであれば、どのように競合他社と差別化していくのか説明する必要があります。

ここでは、ポジショニングマップやSTP分析という分析フレームワークを使用することが推奨されます。他者との違い、自社が狙うマーケットを視覚的にプレゼン相手に伝えることができます。

資料の構成9:ビジネスプラン・スケジュール

今後の事業展開のスケジュールについて記載します。時系列的に整理をして、いつまでに〜〜をする、いつまでに〇〇をするといったタイムラインを描くことが重要です。

資料の構成10:経営陣・組織

事業を推進する会社の代表者、主要なメンバーの経歴、チームとしての実施体制を描きます。ビジネスモデルが優れていても、実施する体制が整備されていなければ絵に描いた餅となってしまいます。

特に代表者の過去の実績や経歴、スキル、専門領域を詳細に記載することが重要です。

資料の構成11:資金調達概要

ピッチの目的が資金調達である場合、プレゼンの最後に資金調達をどのような手段(出資、融資等)で行うのか、調達したい金額はいくらなのか、その使用用途の内訳はどうなっているのかを明確にする必要があります。

投資家・金融機関向けプレゼン資料はプロの経営コンサルタントに代行することが推奨

ここまで投資家・金融機関向けプレゼン資料・ピッチ資料の作成方法について、解説してきましたが、プレゼン資料の作成は非常に骨が折れる大変な作業であることが分かります。

プレゼン資料やピッチ資料の作成は、プロの経営コンサルタントに依頼することができます。Osirabe!ではパワーポイント10枚程度の投資家向けプレゼン資料であれば2万円から作成を引き受けています。

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